こんにちは!
日銀が長期金利の
許容上限をついに
引き上げました。
これは金融緩和政策の
修正であると言えるでしょう。
今回は、
「日銀の長期金利の
許容上限引き上げ」
について解説させていただきます。
■長期金利の許容上限は0.5%程度に
日銀が
イールドカーブ・コントロール
(長短金利操作、YCC)で
0%程度に誘導している
長期金利(10年国債金利)の
上限と下限を
従来の0.25%程度から
0.5%程度に拡大することを
発表しました。
長短金利の誘導水準や
上場投資信託(ETF)などの
資産買い入れ方針は
維持したものの、
市場にとって
非常に大きな
サプライズとなりました。
黒田総裁は記者会見で
今回の決定について、
「市場機能を改善し、
緩和効果をより円滑に
波及させることが狙い」
と説明しています。
さらに、
「利上げや金融引き締めではない」
と繰り返し述べました。
とはいえ、これまでは
「変動許容幅の拡大は
事実上の利上げであり、
緩和効果を阻害する」
と発言していただけに、
矛盾した発言ともとらえられそうです。
■市場関係者の見解とドル円の動き
市場関係者は
「日銀が何と呼ぼうと
これは出口への一歩だ」
との見解を示しました。
加えて、
「2023年の利上げの
可能性も出てくる」
と指摘しています。
さらに、
「今日の決定は
大きなサプライズであり、
改めて日銀の
市場とのコミュニケーションの
改善の必要性を
感じさせる」
との見方を示しました。
日銀の決定を受け、
円買いが活発になり、
ドル円は137円台前半から
133円台前半まで
一気に4円程度急落して
4カ月ぶりの安値を付けています。
ドル円の動きを
見る限り、
市場は今回の決定を
「金融引き締め」
と受け取ったと
言えそうです。
また、
別の市場関係者は
「長期金利の変動幅拡大が
日銀の正常化の
手法だとすれば、
YCCは実質的な
撤廃に近づいていることになる」
と指摘しました。
加えて、
「市場のボラティリティーは
ますます高まるだろう」
との見解を示しています。
急落後は意外にも
落ち着いた動きを
見せているドル円ですが、
今後のニュース次第では
再び大きな値動きが
発生する可能性も
あるでしょう。
大規模緩和の導入から
10年近くが経過し、
この間に緩和の強化や
持続性を高める
政策修正などを繰り返し、
ようやく金融引き締めと
見られる動きが
出てきた日銀ですが、
4月には新総裁が
就任することになるため、
今後の金融政策を
予想する上で
後継レースも注目です。
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