【米国雇用者数が予想を上回る増加も失業率は上昇】

良い?悪い?

こんにちは!

8月の米国雇用者数は

予想を上回る増加を見せました。

しかし、失業率は

大きく上昇しています。

なぜこのような結果に

なったのでしょうか。

今回は、

「米国雇用者数が予想を上回る増加も失業率は上昇」

について解説させていただきます。

■雇用者数が予想を上回る増加も失業率は上昇?

8月の米国の

非農業部門雇用者数は

前月比31万5000人増となり、

市場予想の29万8000人増を

上回りました。

しかし、

「労働参加率の改善」によって

8月の失業率は3.7%となり、

市場予想の3.5%を上回っています。

労働参加率とは、

簡単に言うと生産年齢人口のうち、

働く意志を表明している人の

割合のことです。

つまり、

働きたい人が増えたことで、

失業率が自動的に上昇してしまった

ということになります。

今回の結果は米金融当局にとって

強弱が入り交じる内容と言えるでしょう。

■雇用者数の増加ペースは堅調

雇用者数の増加ペースは

7月に比べて鈍化したものの、

堅調さが見られます。

このことから、

高インフレや金利の上昇、

経済見通しの不確実性の中でも

健全な労働需要が

あることが分かります。

労働力への需要の強さは

引き続き消費支出の

支えとなるでしょう。

■労働参加率の上昇で賃金の伸びが鈍化?

8月は労働参加率が上昇し、

失業率も6カ月ぶりの

高水準となりました。

ただし、

これが賃金の前月比の伸びを

一段と鈍化させるかもしれません。

8月の労働参加率は

62.4%に上昇し、

2020年3月以来の

高水準となっています。

また、

25〜54歳では82.8%と、

前月比の伸びが

20年6月以来の

大きさになりました。

さらに、

ティーンエージャーの

参加率も急上昇しています。

働きたい人が増えれば、

人手不足が解消されることで

賃金の伸びの鈍化が予想されます。

そして、

賃金の伸びが鈍化すれば、

インフレ率の抑制につながるのです。

■市場関係者の見解

市場関係者は

「より多くの人が

労働力に加わった8月の統計は、

ソフトランディングを目指す

金融当局にとって、

いくつかの好材料を含む」

との見方を示しました。

さらに、

「この基調が持続する限り、

雇用の力強い伸びが続いたとしても

賃金上昇率は鈍化していく可能性がある」

としています。

しかしながら、

「労働人口の高齢化と

新型コロナウイルス後遺症の影響はともに、

労働参加率が

パンデミック前の水準に戻るペースが

緩やかにとどまることを想像させる」

との認識も示しています。

今後の労働参加率の上昇ペースや

継続性は楽観視しすぎず、

一定の注意が必要になりそうです。