こんにちは!
インフレが収まる
兆しを見せている
米国経済ですが、
数十年ぶりの高インフレの
最悪期が過ぎたことを
あらためて示す
経済指標が発表されました。
今回は、
12月も減速を見せた
「米PCEの結果」
について解説させていただきます。
■PCEは減速が継続している
昨年12月の
米個人消費支出(PCE)は
市場予想が前年同月比5%上昇、
結果も5%上昇となり、
市場予想と結果が
一致しました。
11月の結果は
5.5%上昇であり、
減速が続いています。
また、
食品とエネルギーを除く
コアPCEは市場予想が
前年同月比4.4%上昇、
結果も4.4%上昇となり、
こちらも市場予想と結果が
一致しました。
11月の結果は
4.7%上昇であり、
12月も減速が
継続しています。
総合とコア共に
前年同月比で
一段と鈍化し、
過去1年余りで
最も低い伸びとなりました。
今回の結果は
米連邦準備制度理事会(FRB)が
次回の
連邦公開市場委員会(FOMC)で
利上げペースを
さらに減速させるとの
見通しを後押しするものになっています。
■コアPCEは FRBが重要視する経済指標
FRBのパウエル議長は
コアPCEについて、
「インフレの動向を測る上で
より正確な指標だ」
と何度も公言しており、
FRBが利上げ幅を決める上でも
重視されている指標です。
さらに、
このコアPCEの他に
消費者物価指数(CPI)も
鈍化し続けているのが
現在の米国経済です。
■サマーズ元米財務長官や市場関係者の見通し
サマーズ元米財務長官は、
「次回のFOMCでは
政策金利が
0.25ポイントの利上げになる」
との見解を示しました。
しかし、
「経済はいずれの方向にも
展開し得るため、
最大限の柔軟性を
維持する必要がある」
とも述べています。
0.25ポイントの利上げは
市場予想と同様の水準です。
また、市場関係者は
「12月のPCEデフレーター
(名目PCEを実質PCEで割ったもの、
物価上昇圧力を測る尺度)
は表面的には弱い数字だが、
家賃を除くコアのサービス分野の
インフレは依然として
極めて高水準だ。」
と指摘しています。
加えて、
「持続性あるインフレ要素が
鈍化しているとの
証拠がなく、
パウエル議長は金利を
より高い水準で
より長くとどめるとの
タカ派的なメッセージを
維持するだろう」
と述べました。
もし市場が予想する
0.25ポイントではなく
0.5ポイントの利上げとなった場合には、
日米の金利差の広がりから
ドル円が上昇することが
考えられるため、
我々トレーダーは
リスクを想定しておく
必要があるでしょう。
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