【インフレはどうなる?】

パウエル議長が楽観的なムードをけん制

こんにちは!

世界中が注目していた

ジャクソンホール会合が開催され、

米連邦準備制度理事会(FRB)の

パウエル議長の講演がおこなわれました。

今回は、

「ジャクソンホール会合での

パウエル議長の発言」

について解説させていただきます。

■パウエル議長、市場の楽観的なムードをけん制

カンザスシティー連銀が主催する

ワイオミング州ジャクソンホールでの

年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)にて、

FRBのパウエル議長が

講演をおこないました。

講演でパウエル議長は

「インフレを根絶するために

利上げを継続し、

金利を高い水準で

しばらく維持する可能性が高い」

ことを示唆し、

市場にあった楽観的なムードを

けん制しました。

■景気抑制的な政策スタンスを維持

事前に配布された原稿によれば、

「物価の安定を回復するには、

景気抑制的な政策スタンスを

一定期間維持することが

必要となる可能性が高い」とし、

「過去の記録は

早急過ぎる金融緩和を

強く戒めている」

と付け加えていることから、

過去のインフレ抑制に失敗した事例を

強く意識していることが分かります。

また、パウエル議長は

「インフレ率を

目標の2%に下げる取り組みは

消費者と企業に

経済的な痛みをもたらすものの、

当局にとって

現時点で最も重要な焦点だ」

との認識を示しました。

■9月も0.75%の利上げか

パウエル議長は

「9月の

連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、

異例に大幅な利上げを

もう一度実施することが

適切となる可能性もある」

とも述べています。

「異例に大幅な利上げ」とは、

7月におこなった0.75%の利上げを

指していると思われます。

「9月会合での決定は、

入手するデータと

変化する見通しの全体像に左右される」

としていますが、

9月も0.75%の利上げとなる

可能性が高そうです。

市場関係者は

「講演のトーンからは

パウエル議長の

強い決意が感じられる」とし、

「9月にもう一度大幅利上げが

実施されることが示唆される」

と語りました。

また、パウエル議長が

アラン・グリーンスパン氏や

ポール・ボルカー氏、

ベン・バーナンキ氏といった

歴代のFRB議長を

あえて例に挙げて

説明したことについて触れ、

「75ベーシスポイント

(bp、1bp=0.01%)の

追加利上げで講演内容の

裏付けをおこなわなければ、

パウエル氏は自身の言葉の

価値をおとしめることになる」

と指摘しました。

パウエル議長は

「金利上昇と成長減速、

労働市場環境の軟化は

インフレを鈍化させるが、

家計と企業に痛みを

もたらすことにもなる」

と説明しており、

多少の痛みをともなう形になっても、

インフレ退治を優先させることになりそうです。