こんにちは!
ワクチンの接種が進むに連れ、新型コロナウイルスもすっかり下火になりましたね。
もうすでに、日本では感染者数が1万人を超す日の方が珍しくなりました。
しかし、中国では再び新型コロナウイルスの感染が拡大し始めています。
特に上海の感染拡大は凄まじく、中国政府がロックダウンしてしまったのは記憶に新しいですよね。
今回のメルマガは、上海のロックダウンが及ぼす中国と日本への経済影響についてご紹介します!
■中国経済の減速
上海のロックダウンを始めとする新型コロナウイルスの拡大の影響は、すでに中国の経済にも大きな打撃を与えています。
中国の1月から3月までのGDP(国内総生産)の実質成長率は前年の同じ時期に比べてプラス4.8%でした。
これは、一見するとプラスなので良い事のようにも思えます。
しかし、中国政府の年間目標とする5.5%には届いておらず、経済が減速傾向にあるということが分かります。
新型コロナウイルスの他には、不動産投資の低迷なども原因のひとつに挙げられるでしょう。
上海のロックダウンも当初は数日で解除する予定でしたが、感染者数が思うように減らず延長を重ね続けた結果、すでに3週間目に突入しました。
未だロックダウン解除のめどは立っていません。
その原因は、ゼロコロナ対策によって今まで感染を抑え込んでいたものの、感染力の高いオミクロン株の登場により、追跡や隔離が追いつかなくなり感染が再び広がってしまったからです。
今の中国では、ひとつの省を出入りするだけで48時間以内のPCR検査をしなくてはいけません。
そのため、移動に多大な時間がかかって物流が滞ってしまいがちなのが現状です。
中国政府は物流の供給網の回復を急いでいますが、正常化にはまだまだ時間がかかりそうです。
■日本への輸出が遅れる
上海で新型コロナウイルスが拡大、ロックダウンしてから上海港の稼働率は6割程度に落ち込んでしまいました。
その理由は
・上海港に貨物を届けるドライバーの不足。
・コンテナ不足。
感染状況が深刻な上海に入るためには、物流トラックは検閲通過に何時間も待たされなければなりません。
その挙句、感染防止のためドライバーは何日か自宅隔離されなくてはいけなくなるのです。
そういった面倒を嫌い、上海行きを拒むドライバーが増えてしまったといいます。
そしてもうひとつは、空のコンテナ不足です。
元々、コンテナとは循環するものです。
本来なら、中国から輸出した海外行きのコンテナは着いた先で荷物を積み次第、また中国に戻ってくる仕組みになっています。
しかし、新型コロナウイルスの影響で日本や欧米で積む荷物が少なくなり、中国にコンテナが戻って来なくなってしまったのです。
そのため、中国では空のコンテナが不足してしまい、商品の出航が遅れてしまう事態になりました。
すると、取引をしている日本企業側が「納期が遅れる上に海上運賃まで上がってしまう」というしわ寄せをくらってしまうのです。
■日本経済への影響
現在、中国のゼロコロナ政策や上海ロックダウンが日本経済に及ぼす悪影響は徐々に強まっています。
主な影響は
・中国国内の消費の停滞による日本からの輸出の減少。
・中国の部品工場の操業停止による、自動車などの部品調達の滞り。
・中国人観光客の減少。
中国の消費の落ち込みは日本からの輸出の減少にも繋がります。
さらに、中国からの部品調達が滞ってしまえば自動車などの生産も出来なくなってしまいます。
三菱やホンダといった自動車関連企業は、すでに工場の稼働を停止したり稼働率を下げたりして対処しています。
そして最後は、中国人観光客の減少による国内消費への懸念です。
なぜなら、中国人は日本を訪れる外国人観光客の全体の3分の1程を占めているからです。
中国国内のコロナ拡大がさらに深刻化すれば、感染防止や渡航が出来ないことを理由にキャンセルする客も増えていきます。
その結果、宿泊や飲食などのサービス業が強い打撃を受けることになるのです。
このように、世界で新型コロナウイルスの感染が拡大している以上、その影響は日本にも経済を通じて現れます。
そして、今は落ち着いたとはいえ、日本でもいつ再び新型コロナウイルスが猛威を振るうか分かりません。
他の国の二の舞にならないよう良い部分は今のうちに学びつつ、今後も世界と経済の動きに注目していきましょう!
コメントを残す