【41年ぶりの高さ】英国のインフレ率の上昇止まらず

こんにちは!

 

米国のインフレ率の上昇が

収まりを見せつつありますが、

英国のインフレ率は

さらに上昇してしまっています。

 

今回は、

「41年ぶりの高さとなった英国のインフレ率」

について解説させていただきます。

 

 

■10月の英国のインフレ率は41年ぶりの高さ

 

 

10月の英国のインフレ率は

前年同月比11.1%上昇と、

41年ぶりの高さになりました。

 

イングランド銀行(英中銀)が

大幅な利上げを続ける

根拠が強まったと言えます。

 

10月の消費者物価指数(CPI)は

前年同月比11.1%上昇と、

中銀予想の10.9%と

市場予想の10.7%を

共に上回ることになりました。

 

食品とエネルギーが

物価高の中心になっています。

 

英中銀はインフレ率の目標を

2%としていますが、

今回の結果は

その5倍を超える水準と

なってしまいました。

 

そのため、

来月も0.5ポイントの利上げが

おこなわれることになりそうです。

 

■電気・ガス代を上限設定したが前月比で2.0%上昇

 

 

10月はトラス前首相が

電気・ガス代を上限設定した月ですが、

それでもCPIは

前月比で2.0%上昇と

なってしまいました。

 

エネルギーの高騰が

続いていますが、

食料品についても

1977年以来45年ぶりの

高騰となっています。

 

食料品の高騰からか、

英国では安売りで定評があるスーパーが

大幅な収益をあげている状況です。

 

もしトラス前首相が

電気・ガス代の上限を

設定していなければ、

CPIは前年比13.8%上昇となっていたと

試算されています。

 

9月から10月にかけ

エネルギー価格は単月で

75%上昇しましたが、

上限が設定されたことにより

25%上昇にとどまりました。

 

上限設定が無ければ、

英国の国民の生活は

かなりのダメージを

受けていたことでしょう。

 

■ベイリー総裁の見解

 

 

インフレ率発表後の

議会証言では、

財務省特別委員会の

ボールドウィン議長から

「英国のインフレ率は

他のどの国よりも高く、

こういう状況になるまで

なんらかの対策を

打てなかったのか」、

「そもそも英中銀が

政策決定をする際に参考にしている

経済分析モデル自体が

正しいと言えるのか」

という質問が出ました。

 

これらの質問に対して、

英中銀のベイリー総裁は、

「パンデミックが始まり

サプライチェーンの逼迫が起きた。

ここまではある程度の予想はついたが、

ロシアがウクライナを

侵攻したことは、

我々にも全く予想できなかったことであり、

その後のエネルギー価格高騰の

スピードも想定外であったと」

と説明しています。

 

ベイリー総裁は

労働市場にも言及しており、

「パンデミックの影響などで

仕事に復帰出来ない労働者が増え、

英国の労働市場は

慢性的な労働者不足となっている」

との見方を示しました。

 

今後、

英国では緊縮財政策の

実施がおこなわれると見られており、

利上げから緊縮財政策に

インフレ退治の主役が

交代すると考えられます。

 

利上げスピードが緩くなれば

ポンドは売られる可能性があり、

利上げ幅には注目すべきでしょう。