【トヨタの水素エンジン搭載車の現状とは?②】

トヨタの新型エンジン

こんにちは!

前回のメルマガでは、

水素エンジン搭載車が

水しか排出しない

「究極のクリーン自動車」

であることや、

トヨタが市販化を想定した試作車の

「水素カローラクロス」

を公開したことなどを

解説させていただきました。

今回の記事では、

「トヨタの水素エンジン搭載車の現状」

について、

さらに深掘りさせていただきます。

■水素エンジンの品質向上

トヨタは水素エンジンに関して、

常に品質向上を続けています。

例えば、

1年で出力は約20%、

トルクは約30%も向上しており、

ガソリン車以上の

性能を実現しています。

さらに、

航続距離が約20%伸び、

水素充電時間も

約5分から1分半へと

大きく短縮されました。

トヨタは水素エンジン自動車の市販化に、

相当なスピード感を持って

近づいていると言えるでしょう。

■後部座席はどうなっているのか

水素エンジン搭載車の

重要課題とされていた、

後部座席の居住空間も

大きく改善されています。

耐久レースに出場している

「水素カローラ」は

後部座席の位置に

4本の水素タンクがあるという

問題を抱えていました。

つまり、

耐久レース仕様のままで

市販化すると、

車体が大きいにも関わらず

2名しか乗ることができないのです。

とはいえ、

市販化を想定した

「水素カローラクロス」

では改善されており、

床下に2本の水素タンクを

配置することで

後部座席の居住空間が

広くなっています。

■液体水素を利用

水素カローラクロスは

液体水素を利用することにより、

後部座席の居住空間を

改善しています。

現在、

燃料として使用されている

水素は気体であり、

気体の水素は

高い圧力をかけて充填するため、

タンクの形状が

大きな円筒状になっています。

しかし、

液体水素であれば

タンクの形状が自由になり、

軽量化も可能になるというわけです。

さらに、

水素を液化することで

体積当たりのエネルギー密度が増加し、

航続距離が伸びる

というメリットもあります。

■液体水素の課題

液体水素は

大きなメリットがありますが、

デメリットもあります。

水素が液剤となる温度は

マイナス235度です。

この非常に低温の状態を

どのように保つのか、

タンクから自然に気化する水素を

どう処理するのか

といった難しさがあります。

■市販化への道のり

前回のメルマガでもお伝えした通り、

トヨタは水素エンジン自動車の市販化を

「登山に例えると4合目」

と報告していました。

具体的には、

4合目までは燃費や排気など

「パワートレーン」

の開発です。

そして、5合目以降は

タンク小型化やドライバビリティなど

「車両パッケージ」

の開発になります。

水素エンジンは

今まで培ってきたエンジン技術を

流用できることや

部品の点数が多いため

雇用を守ることができる

といったメリットがあります。

また、

ガソリンエンジンのような

エンジン音や

ガソリン以上の航続距離に

メリットを感じるユーザー層もいるでしょう。

もし、

水素エンジン車が電気自動車より

ユーザーの支持を集めるようなことになれば、

水素エンジン車が

ゲームチャンジャーになる可能性があります。