こんにちは!
裾野の広い
自動車産業の中で、
独自のテクノロジーを武器に
活躍する企業が
日本には多く存在します。
自動車産業といえば
トヨタや日産といったメーカーに
目が行きがちですが、
様々な部品が
組み合わされて作られる
自動車では、
部品を製造する
メーカーにも
注目すべき企業は
たくさんあるのです。
今回は、
68年間黒字経営を続ける
「マブチモーター」について
解説させていただきます。
■マブチモーターとは
マブチモーターは
小型モーターに
特化した会社であり、
サイドミラー操作小型モーターは
世界シェア8割、
ドアロック用モーターは
7割を占めています。
以前は
ミニ四駆やラジコンなどの商品に
主に使用されていましたが、
おもちゃ以外の分野でも
高性能モーターを武器に
ビジネスを拡大しています。
現在では高い技術力を持つ
小型モーター製品を
多くの分野に
送り出しており、
業界では非常に有名な
企業に成長しました。
■68年間黒字の理由
マブチモーターは財務的に
非常に健全であり、
会社設立から
68年間営業黒字を続ける
堅実な経営で有名です。
企業はビジネス環境の変化や
大きな設備投資などによって、
単年で見れば
赤字となってしまうケースが
少なくありません。
現在、
ニュースでよく取り上げられる
為替相場の動きも
その要因になります。
円安では日本の製品は
割安となって輸出が伸びますが、
円高では逆に割高となって
輸出が減ります。
ビジネスの環境は
刻々と変化し、
黒字経営を続けるためには
変化するビジネス環境に
適用できる柔軟性と
ライバルが真似できないような製品を
製造する技術力が必要です。
マブチモーターは
この2つを持ち続けていることが
68年間黒字が続いている
理由になっています。
■柔軟性
マブチモーターが
おもちゃや模型用のモーターとして
実績を積み重ねていた
ビジネスモデルを転換し、
自動車など実用的なモーターの製造に
軸足を移した点は
柔軟性の好例と
言えるでしょう。
自動車業界への参入は
技術力の高さの
証明となり、
自動車業界での
ビジネス的な成功は
その他の機器への導入にも
つながりました。
製造する小型モーターの
主な用途を柔軟に変え、
常に収益を安定させてきたことは
マブチモーターの強みです。
■営業戦略
モーター業界では
納入先の用途に合わせて、
モーターのカスタマイズを
おこなうことが一般的でした。
しかし、この方式では
モーター製造の現場では
カスタマイズごとに
仕様変更が発生し、
結果として生産性の悪化と
コスト高という問題が
発生していたのです。
そこで、
マブチモーターでは
標準的な仕様を
いくつかに限定し、
その設計を完成品メーカーが
そのまま採用してくれる場合には
低価格・高品質の製品を
安定供給するという
営業戦略を取り入れました。
そのため、マブチモーターは
生産性の悪化と
コスト高を解決し、
納品先も安定的に
モーターを手に入れられるという
Win-Winの関係を
作ることに成功したのです。
今後、自動車の
主流になるであろう
電気自動車(EV)は
バッテリーに蓄電した
電力を放電し
モーターを駆動して
走行することが
基本的な仕組みになっており、
マブチモーターのような
高度なノウハウと
テクノロジーを持つ
モーターメーカーにとっては
大きな成長が
期待できると言えそうです。
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