こんにちは!
10月の米総合消費者物価指数(CPI)が
市場予想を下回る結果となり、
ドル円は1.00
下抜ける動きを見せました。
135円台に向けての円高進行も
視野に入ったと言えるでしょう。
今回は、……
「米CPIの結果とドル円の大幅下落」
について解説させていただきます。
■米CPIは総合・コア共に市場予想を下回る
10月の総合CPIは
市場予想が前年同月比7.9%上昇、
結果は7.7%上昇と
市場予想を下回りました。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは、
市場予想が前年同月比6.5%上昇、
結果は6.3%上昇と
こちらも市場予想を下回っています。
加えて、
総合とコア共に
9月から伸びが鈍化しており、
数十年ぶりという物価上昇が
勢いを弱めつつのあるのでは
との期待が持てる内容となりました。
今回のCPIの結果は、
FRBにとって急激な利上げを減速させる余地が
生まれたと言えるかもしれません。
■市場関係者とパウエル議長の見解
市場関係者は
「今回の統計の.基調的な要素は
良好で明るい内容だ。
インフレがピークから
下がりつつある兆候がやや見られる」
と説明しました。
確かに総合とコア共に
CPIの伸びが鈍化したことは
良いニュースと捉えられるでしょう。
しかしながら、
現在のCPIの数値は
FRBを満足させるには
依然として高過ぎるのも事実です。
FRBのパウエル議長は今月、
「前月比でのインフレ指標が
着実に鈍化するパターンを
目にする必要がある」
と語っています。
さらに、
「政策金利のピーク水準は
当初の想定よりも高くなる可能性が高い」
との認識を示しました。
また、
総合CPIでは住居費の上昇が
指数全体の伸びの
半分余りを占めました。
住居費はすぐに変動するようなものではないため、
総合CPIの伸びが
今後鈍化しづらくなる可能性も考えられます。
■利上げ予想の変動とドル円の動き
今回のCPIの結果を受け、
短期金融市場では
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での
利上げ幅について、
0.75ポイントと比べて
0.5ポイントの織り込み度合いが
一気に強まりました。
加えて、
来年の政策金利の
ピーク水準の予想は
5.0%を下回っています。
また、
12月にFRBが利上げ幅を縮小するとの
思惑が強まったことから、
ドルは主要通貨に対して大幅安となりました。
ドル円は一時138円台半ばまで下落し、
一週間で5%余り
ドル安・円高が進行しています。
ドル円は週間で
2008年以来の大幅な下落を
記録することになりました。
140円の心理的な節目を下抜けたことで、
135円台に向けての円高の進行も
考えておいた方がよいかもしれません。
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