【続く中国のゼロコロナ政策】

サプライチェーンの停滞による悪影響

こんにちは!

上海でのロックダウンが影響し、

中国の経済は急減速しています。

しかし、それでも習近平主席が

ゼロコロナ政策を推し進めるのは

なぜなのでしょうか?

今回のメルマガは

中国がゼロコロナ政策に固執する理由

そして日本企業が

サプライチェーン(供給網)の停滞によるリスクを

避けるためにはどうすれば良いのかを予想します。

■中国がゼロコロナ政策に固執する理由

習近平主席はなぜ、

上手くいっているとは言い難い

ゼロコロナ政策を続けるのでしょうか。

それは欧米とは違い、

中国はゼロコロナ対策によって

感染拡大を抑え込む事が出来た成功体験が

あるからです。

この成功体験を、中国メディアが

「米国を筆頭とする西側諸国の政治体制が、

いかに頼りないか」

「他国の政権がどれだけ無策なのか」

と書き立て、西側諸国との政治的対立に

拍車をかけました。

特に習近平主席は

「ゼロコロナを否定する一切の言動と戦う」

とまで発言しており、

今後もゼロコロナ政策を徹底して

継続する方針を固めています。

しかし新型コロナウイルスは、

次々と新しい株に進化しては

感染力を強めていくため、

完璧に封じ込める事は難しくなってきています。

また、上海のように長期的なロックダウンに

見舞われる都市が増えれば

市民の不満が高まるどころか

国の経済にもより深刻な悪影響が出ます。

そのため、WHOは

「ゼロコロナ政策は持続可能だと思えない」

と中国に方針の転換を迫りました。

実際、欧米諸国はゼロコロナの実現を

次々と放棄しており、

その代わりにウイルスと共存しながら

社会を正常に近づけていく方針を取っています。

しかし、前述のように中国メディアが

他国の政治体制を批判してしまったことや、

なにより習近平氏が3期目の党大会を

控えている手前、

「ゼロコロナ政策が正しかった」

という形を作るまで

後に引けない状態になっている

可能性があるのです。

■サプライチェーンの停滞を避けるためには

もし、

このゼロコロナ政策が失敗に終われば

中国だけでなく日本を含めた

他の国々にもダメージが及ぶ事になります。

なぜなら中国には、

世界中のサプライチェーンが

集まっているからです。

上海と同じく他の都市まで

ロックダウンするような事態になってしまえば

世界中で物品の供給が停滞し、

我々の生活にも影響が出てきます。

それだけでなく、今回のウクライナ侵攻により

西側諸国と制裁の応酬を行っているロシアのように

中国もまた有事の際には、制裁の手段として

サプライチェーンを停止させる措置を行う

可能性があるのです。

日本の企業がどちらの問題も避けるためには、

サプライチェーンを中国一か所に

集中させるのではなく世界各地に分散させ、

有事の際のリスク軽減に

繋げる事が必要となります。

それぞれの国に専用の供給網を作る事と

どうしてもコストがかさんでしまいますが、

長期的な目線で見れば

供給網が麻痺して必要な部品などの調達が出来ず、

企業自体が生産も販売も出来なくなる

「万が一の事態」に備えておいた方が

日本の企業ひいては

経済の今後にプラスに働くかもしれません。

上海のロックダウンから

2か月ほど経ちましたが、

最近では2時間だけ外出許可が出るなど

少し制限が緩和されたようです。

しかし、

ロックダウン解除とまではいかない辺り、

さらなる景気悪化は

避けられそうにないでしょう。