【原油相場はなぜ下がらない】

Pump jack, wellhead and pipeline during sunset in the oilfield. Winter period. Oil and gas concept. Toned.

「制裁の応酬」で高止まりに加担?

こんにちは!

ロシアのウクライナ侵攻後、

原油価格が一時130ドルを超えたことが

ありましたよね。

現在も原油価格はなかなか下がらず、

100ドル近辺の高水準を上下しています。

これに対して、主要国は相次いで

石油の備蓄を放出することを決めましたが、

今のところ

原油相場が急落する動きはありません。

しかし、原油相場が下がらないのは

経済制裁に対するロシア側の対抗だけでなく、

西側諸国(日本やアメリカなどの資本主義諸国)の

行動もまた遠因になっているのです

今回のメルマガは、西側諸国が

原油相場の上昇に加担している理由、

そして備蓄放出は下落に繋がるのかを予想します。

■西側諸国が原油相場の上昇に加担している?

ロシアのウクライナ侵攻後、

西側諸国はロシアにとって不利な状況を作るために

様々な制裁を加えました。

西側諸国はロシア産の資源を買わず、

脱ロシアを目指すことを表明しています。

これに対して、

ロシア側も制裁への報復として

非友好国への穀物などの資源輸出を

制限しました。

また、ロシアが非友好国に対して、

天然ガスの代金について

自国通貨ルーブルで決済することを要求したのも

報復行為のひとつではないかという声もあります。

急落したルーブル相場を回復させると同時に、

ロシアの資源を国外に出さない措置をとる事で

欧州に揺さぶりをかけた可能性もあるのです。

今後、

西側諸国とロシアの制裁の応酬が長引けば

世界全体で

ロシア産の資源の流通量がさらに減少し、

原油相場の価格を

より押し上げる要因となっていきます。

この事から西側諸国は、

原油相場の上昇に加担していると

言われるようになってしまったのです。

■備蓄放出は、原油相場の下落に繋がるのか

一方、原油相場を下げるため

西側諸国が中心となり、

石油の備蓄を放出することで

需給ひっ迫を回避しようとする対策も

進んでいます。

このように、主にロシアが

原油相場の上昇する要因のみ

作っているのに対し、

西側諸国は上昇と下落、

両方の要因を作っているのです。

この西側諸国の矛盾した立ち位置が、

石油備蓄放出を決定しても

原油相場がなかなか下落しない原因に

なっているのかもしれません。

しかし、備蓄を放出して

原油相場を下落させることができたとしても、

それはあくまで一時的なものであり

消費国が望むような

長期的な下落を継続させるのは難しいでしょう。

さらに、IEA(国際エネルギー機関)もまた

高値が続く原油相場を安定させるため

備蓄放出を行いますが、

その期間は半年だけです。

たった半年でウクライナ情勢を

鎮静化させる具体策を

思いつくことは難しいかもしれません。

ロシアがウクライナ侵攻により

混乱を長引かせる以上、

原油の高止まりも続きます。

日本も含めた西側諸国は、備蓄が尽きる前に

原油相場の上昇をいかに抑制するか、

あるいはロシアのウクライナ侵攻を

鎮静化させるか、

どちらにしろ

早急に対策を練る必要があるかもしれません。

今回のように原油の価格が上昇すると、

石油会社にとっては備蓄している石油を

高い価格で販売できるようになり

利益を出しやすくなるというメリットもあります。

そのため、どの株を買おうか迷っている

投資初心者の方は

今回を機に石油関連の株を

視野に入れてみるのもアリかもしれません。