【ソフトバンク、巨額の赤字】

なぜ株価は上昇したのか

こんにちは!

投資会社ソフトバンクグループの業績が悪化し、

大赤字になりました。

前期では好調だったはずなのに、

何が起きたのでしょうか。

今回のメルマガは、

何故ソフトバンクグループが

巨額の赤字を出してしまったのか、

そして株価はどう動いたのかを

ご紹介します。

■巨額の赤字の理由

12日、ソフトバンクグループが、

2022年3月期の連結決算を発表しました。

前期は国内最大の純利益となる

5兆円近い黒字だったのにも関わらず、

3月期の最終損益は1.7兆円と

同社として過去最高の赤字に転落しました。

ソフトバンクグループが

巨額の赤字を出してしまった原因の一つは、

ロシアのウクライナ侵攻などで

世界経済が不安定になった事です。

ソフトバンクグループの事業は、

携帯事業や野球チームのソフトバンクホークスなど

多岐に渡ります。

しかし、これらは全て主力事業ではありません。

将来有望なスタートアップ事業に投資を行う

ソフトバンク・ビジョン・ファンドが

主な稼ぎ頭なのです。

スタートアップとは、

これからの急成長が期待される組織のことです。

例えば、

起業してわずか数年で

数千億円の価値評価が付いたり、

世界を改変するような事業を

行ったりしようとしている事業を指します。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドは

「AI」をテーマに据えており、

世界中のテクノロジー系新興企業の中から

有望な企業を探しては投資をしています。

しかし、ウクライナ問題や

アメリカの金利上昇などの世界の経済悪化に伴い、

スタートアップ企業の業績が低迷してしまいました。

それだけでなく、

アメリカではGAFAの業績拡大が鈍化しており、

世界全体でIT分野成長への期待が下がっています。

すると、リスクを避ける投資家達は

スタートアップ企業の株を手放し始め。

急速に株価が下落したのです。

投資先の企業価値が下がると、

投資元の純利益も同時に低下してしまいます。

特に、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが投資する

韓国のネット通販クーパンは1.6兆円、

中国の配車アプリディディで9000億円といった

運用失敗が大きな痛手となりました。

■業績が赤字でも株価は上昇

前述の通り、現在の世界経済は非常に不安定です。

しかし、株価が下落したスタートアップ企業とは反対に

ソフトバンクグループも業績自体は赤字でしたが、

株価は上昇しています。

ソフトバンクグループの投資先の

ほとんどはIT企業であり、

その成果はアメリカのナスダックと連動しています。

アメリカの株価市場の下落は、

長期に渡って続いているので投資家達にとっては

予想済みだったのかもしれません。

そして、孫社長は今後について

「新たな投資より、慎重な運営をする」

と注意深い姿勢を見せています。

こうした要素から、

決算後も株価が上昇したのでしょう。

果たして今後、孫社長が

どれだけ先を見通した投資が行えるのかに

ソフトバンクグループのこれからが

かかっているのかもしれません。

株式相場の上下と、

企業の業績の上下は連動しています。

投資を行う際には、短期ではなく長期的に

なおかつ相場と業績を

同時に見極める目を養うと良いかもしれません。

2件のコメント

バイナリーには大変興味が有ります。
ただ利益を出すのは大変難しいと聞いております。

なるほど、そういうことだったのですね。
孫社長さんが、架空の企業の買収にはめられ、相当額の赤字を背負ったという記事を読んだことはあります。
投資については、まだまだ勉強不足ですので、大変ためになりました。
ありがとうございます。

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