【ピークは終わった?】ユーロ圏のインフレ率の上昇がやっと減速

こんにちは!

 

高いインフレ率に

悩まされている

ユーロ圏ですが、

ようやくインフレが

減速してきました。

 

前回のメルマガでは

米連邦準備制度理事会(FRB)が

インフレの指標として

重要視する、

個人消費支出(PCE)の結果が

市場予想を下回ったことを

お伝えしました。

 

ユーロ圏の

インフレ率の上昇も

やっと減速したことで、

米国と同様

インフレのピークが

過ぎた可能性が

出てきています。

 

今回は、やっと減速した

「ユーロ圏のインフレ率」

について解説させていただきます。

 

■ユーロ圏のインフレ率の上昇が1年半ぶりの減速

 

 

11月の

ユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は

市場予想が前年同月比10.4%上昇、

結果が10%上昇となり、

市場予想を下回りました。

 

前月の結果は

10.6%上昇であり、

この低下幅は

2020年以来の

大きさです。

 

ユーロ圏の

インフレ率の上昇は

1年半ぶりの

減速となり、

ここ数十年で

最悪の物価上昇への

対処に苦戦する

欧州中央銀行(ECB)にとって、

待ち望んだ結果と

言えるでしょう。

 

今回、

CPIが下がった理由としては、

食品価格の値上がりは

加速したものの、

エネルギーやサービスの

コストの上昇ペースが

減速したことが

挙げられます。

 

ECB当局者は

利上げ幅を決定する上での

重要な判断材料として、

インフレ統計を

挙げてきました。

 

インフレ率の減速は、

12月15日に予定されている

ECBの政策金利発表に

大きな影響を与えそうです。

 

■ラガルド総裁の見解

 

 

ECBのラガルド総裁は

欧州議会で、

「インフレが

ピークを付けたのだとしたら

驚きだ」

との見解を示しています。

 

加えて、

デギンドス副総裁は

「ユーロ圏のインフレ率が

あと数カ月間は

現在の水準にとどまる」

との見方を示しました。

 

確かに、

インフレ率の数字自体は

前月に続く2桁台で、

ピークは過ぎたとの期待は

誤っている可能性があります。

 

食品やエネルギーなど

変動の激しい一部項目を除く

コアCPIは、

5%と前月から変わらず

過去最高を記録している状況であり、

楽観視はしない方が

賢明なのかもしれません。

 

■利上げペースを落とすかに注目

 

 

ECBは12月14~15日に

政策委員会の会合を

開きますが、

そこで政策金利を

3会合連続となる

75ベーシスポイント

(bp、1bp=0.01%)引き上げるか、

50 bpに

利上げペースを落とすかが

注目されています。

 

「インフレ率の上昇が

ピークを付けた」

と判断すれば、

50 bpに利上げペースを

落とすと思われますが、

ラガルド総裁や

デギンドス副総裁の

発言を考えると、

75ベーシスポイントの

引き上げとなる可能性は

高そうです。