【ドル/円が一時141円台半ばまで急落】

黒田総裁が口先介入

ドル/円は7日に

145円付近まで急騰を見せた後、

9日には一時141円台半ばまで急落しました。

その背景には

黒田総裁の口先介入があります。

今回は、

「ドル/円が一時141円台半ばまで急落」

について解説させていただきます。

■145円付近まで急騰後、141円台半ばまで急落

ドル/円は7日に

145円付近まで急騰を見せた後、

9日には一時141円台半ばまで急落して

142円台半ばで取引を終えました。

岸田文雄首相と会談した

日銀の黒田東彦総裁の

円安に関する発言をきっかけとし、

一週間で円安が急速に進んだことや

ECBやオーストラリア準備銀行、

カナダ銀行といった

主要な海外中央銀行の政策決定が

一巡したことが主な要因となりました。

FXをトレードされている方にとっては、

波乱の一週間だったのではないでしょうか。

■市場関係者の見解

市場関係者は

「ドル/円相場もさることながら、

米国の金利低下を受けた

ドル全面安の色合いが強い」

と説明しています。

加えて、

「他通貨でドル売りが進む中、

クロス円が上昇し

円相場の買い戻しを阻んでいたが、

黒田総裁が急激な円相場の動きに対して

けん制をしたこともあり、

ドル/円相場も

ドル全面安の流れに追いついてきた」

との見方を示しました。

日銀の黒田総裁は

「為替相場が1日に2円も3円も動くのは

急激な変化と認識している」、

「急激な為替変動は

企業の不確実性を高め好ましくない」

と述べています。

別の市場関係者は

「立て続けに政策当局者が

けん制する形で会合を持ってきたことで、

海外勢を中心に

為替介入と日銀の政策修正への

警戒感が広がっていると思う」

と語りました。

■海外中央銀行は大幅利上げが続く

金融緩和を維持する日銀と違い、

他の主要国の海外中央銀行は

大幅利上げを続けています。

例えば、

欧州中央銀行(ECB)は8日に

0.75ポイントの利上げを実施し、

オーストラリア準備銀行も0.50ポイント、

カナダ銀行は0.75ポイントの

大幅利上げをおこないました。

また、

米連邦準備制度理事会(FRB)の

パウエル議長は8日の金融政策関連会議で、

「インフレ抑制の任務が完了するまで

金融当局が尻込みすることはない」

と発言しています。

他の中央銀行が

金利を引き上げれば上げるほど

円は売られやすくなるため、

今後も円は売られやすい状態が

継続すると見られます。

つまり、

ドル/円やユーロ/円などの

クロス円が上昇しやすい環境です。

今回は円高の流れになりましたが、

今後もこの流れが長期間続くかは

不透明であると言えるでしょう。