勢いを増す円安
ドル円が7日に
144円台を付け、
24年ぶりの安値を更新しました。
今年初めからの円の下げ幅は
すでに28円となり、
43年ぶりの大きさに達しています。
今回は、
「勢いを増す円安」
について解説させていただきます。
■ドル円は145円を試す動き
ドル円は7日に144円台を付けた後、
145円台を試す動きを見せました。
結局失敗に終わったものの、
いつ145円台に突入しても
おかしくない状況です。
鈴木俊一財務相は円安に関して、
「円安方向に一方的に振れており憂慮している」
とした上で
「継続することになれば、必要な対応を取る」
と話しました。
ただし、
必要な対応の詳細については
「私の不用意な発言が
相場に影響を与えてはいけないため
一切コメントしていない。
まさにどういう対応を取るかは、
為替に大きな影響与えるためコメントしない」
としています。
また、
松野博一官房長官も会見で、
政府の対応と日本銀行の金融政策への見解を問われ、
「一方方向の為替の変動については注視している。
今後の状況において適切に判断したい」
と述べました。
とはいえ、
今回の鈴木財務相と松野官房長官の発言は
あまり踏み込んだ発言とは言えず、
ドル円の上昇を抑えるような効果は
あまりなかったように見えます。
■円安が勢いを増した要因
円安が勢いを増した要因については
複数考えられます。
まず、
前日に発表された
8月の米ISM非製造業総合景況指数が
市場予想を上回ったことが挙げられます。
その結果、
米金利が一段と上昇し、
日米金利差拡大から
円売り圧力につながりました。
また、
米国で今週相次ぐ
高格付け企業の社債発行も
要因と言えます。
6日には50億ドルを調達した
ウォルマートをはじめ、
19社が10億ドル規模の社債を
何本も発行しています。
米国では週内に
合計500億ドル規模の
社債が発行される見通しです。
年限も10.年など長期債が多いため、
長期や超長期の米国債金利への
上昇圧力につながります。
■市場関係者の見解
市場関係者は
「目先は上値を試す局面。
1998年8月の147.64円が
ターゲットになってくるが、
その前に145円の大台を試せるかが注目だ」
と述べました。
しかしながら、
円安の勢いが強く、
すでに7日に145円台を試しており、
147.64円にあっさり到達しても
不思議ではありません。
為替介入は米国の同意が得られそうになく、
日銀の金融政策修正も難しいとみられており、
円安を止めるのは容易ではなさそうです。
円安 が止まらないですね。