【ユーロ圏のインフレ率がまた過去最高を更新】

大幅利上げ?

こんにちは!

ユーロ圏のインフレ率が

8月も過去最高を更新しました。

インフレ率が右肩上がりの

上昇を続けていることで、

欧州中央銀行(ECB)に対し、

大幅利上げの圧力が一段と強まっています。

今回は、

「ユーロ圏のインフレ率が過去最高を更新」

について解説させていただきます。

■ユーロ圏のインフレ率が過去最高を更新

前述した通り、

ユーロ圏のインフレ率が

また過去最高を更新しました。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が

31日に発表した

8月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)は

前年同月比9.1%上昇となり、

過去最高を更新しただけでなく

市場予想の9.0%上昇も上回っています。

ユーロ圏のインフレ率が

加速を続けている主な要因は、

エネルギーと食料品の値上がりです。

さらに、

変動の激しいエネルギー、食料品などを除くコアCPIも

前年同月比で4.3%上昇と、

過去最高になっています。

そのため、

ECBのインフレ率の目標値である2%を

総合CPIだけでなく、コアCPIでも

大幅に上回ってしまっているのが現状と言えるのです。

■利上げの幅はどうなる?

今回も過去最高のインフレ率となったことで、

ECBが75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の

利上げに動くかどうかに

市場の注目が集まっています。

また、

米国はすでに2度の

75bpの利上げを決定していますが、

ECB政策委員会のハト派は

欧州にはリセッションが迫っているとして、

米国の大幅利上げに追随することに

警戒感を示しているのが現状です。

ただし、

少数派ではありますが、

何人もの政策委員会のメンバーが

75bpの利上げに

前向きな姿勢を見せています。

そして、政策金利は

6月に50bpの

利上げをおこなった今でもまだ0.5%です。

したがって、

50bp ではなく75bpの利上げが

おこなわれる可能性も

十分にあると言えるでしょう。

■財政的な余裕のないユーロ圏

新型コロナウイルスのパンデミックから

ウクライナとロシア間の戦争に至るまでの3年間で、

ユーロ圏の政府債務の対国内総生産(GDP)比率は

2019年の84%から、

昨年は96%まで拡大して増え続けています。

つまり、

もしリセッション入りをすれば、

ユーロ圏は財政的な余裕を失った状態で

リセッション入りするということです。

そのため、

ECBが利上げを積極化し過ぎて

リセッションを招けば、

一気に利下げしなくてはならなくなるリスクがあります。

しかしながら、

インフレ率が目標値の2%まで低下するような

十分な利上げも必要とされています。

今冬にはロシアのエネルギー供給遮断も懸念され、

政策当局者には難しいかじ取りが求められそうです。